トリスタンとイゾルデ

ロミオとジュリエットがモチーフのストーリー

次にご紹介するのがシェイクスピアが創り上げた現代でもその完成度から日本でも何度も舞台劇として演じられている悲劇『ロミオとジュリエット』の原点とも言われている往年の悲劇である作品『トリスタンとイゾルデ』についてご紹介して行きましょう。今作品の中でカヴィルさんは『メロート』という役を演じられています。主役のトリスタンとは親友という間柄で、イゾルデと適わぬ恋をしているトリスタンに対して忠告をしても、その後もトリスタンとイゾルデの二人がそれぞれの想いあっているということを察知して、最終的には二人の間を引き裂く要因を生み出していまう、そんな立ち位置にいます。

悲劇ですね、まさしく悲劇。かのシェイクスピアがこの話を元にしてロミオとジュリエットの作品を書き上げたというのも頷けます。それだけこのストーリーが彼にとって大きな影響を与えたということになるのでしょう。

円卓の騎士きっての実力派

元々はトリスタンを題材にした物語は存在していましたが、後にアーサー王伝説の逸話の一つに組み込まれることとなって、円卓の騎士の一人としての活躍を見せるようになりました。しかも円卓の騎士の中で、裏切りの騎士として有名なランスロットに告ぐ実力派として描かれています。ではここでトリスタンがアーサー王伝説の中でどのような活躍を見せているのか少し見ていきましょう。トリスタンは忠誠を誓っていたマーク嘔吐の角質から今ウォールを出た後に、円卓の騎士として活躍するという展開が追加されたことで、彼のアーサー王と共に駆け抜ける時代が始まっていきます。とは言っても、元々トリスタンとアーサー王伝説の物語は別系統の話のために整合点が見られないところがいくつもあるのでしょうがないといえばしょうがないでしょう。当時の作家達は何でもかんでも伝説的な話にしたかったということで納得しておきます。

さてそんなトリスタンの武勇の話になりますが先にも話したように裏切りの騎士として、また円卓の騎士最強とも言われてたランスロットと並ぶほどの力を持った騎士としてその活躍が作品の中で語られています。とある槍の試合において『アーサー王の敵方について、優れた円卓の騎士を打ち負かすほうが名誉を得られるだろう』というパロミデス卿の提案に乗って、変装したうえでパロミデス卿・ガレス卿・ディナダン卿の4人、アーサー王の甥にして聖剣ガラディーンを持っていたガウェイン卿を始めとする円卓の騎士たちを多く打ち倒している。多く打ち倒しているとかかれているが、彼らが1対1で戦っている記述がないので、1対複数という構図ではないだろうか。円卓の騎士一人ひとりにはそれぞれ人ならざるものから生み出された武器を所持しているため、まずそんな力を備えている武具を所持していないと勝ち目はほぼないだろう。またガウェインが朝から正午までの時間が力が増大するという特性の弱点を狙って戦いを仕掛けたのではないだろうか、とも考えられる。なんにしても、トリスタン本人だけならそれなりに力を持っているだろうかも知れないけれど、さすがに複数人で強者に勝ったという事実を持ったとしてもそれは誉れにはならないでしょう。

もともとの話がどの系統になっているかは定かではないですが、それでもトリスタンが円卓の騎士として名乗るだけの実力を備えているということに変わりはないということは変わらないだろう。

あらすじ

時にイギリスは暗黒の時代に見舞われていた、荒れ果てた国土に割拠する部族達は、事実上強大で冷酷なアイルランド王の権力の下に置かれていました。コーンウォールの領主マーク侯を育ての親として持っており、勇敢な騎士とてし名高いトリスタンは戦闘で瀕死の重傷を負ってしまうのであった。負傷したトリスタンは敵国であるアイルランドの海岸に流れ着き、そこでアイルランド王の娘であるイゾルデに保護される形で、献身的な介護を受ける形で傷の治癒に従事する日々を送っていた。敵であるにも関わらず自身を匿っている上にその絶え間ない手当てを行なっているイゾルデにトリスタンが惹かれていくのも時間の問題であった。この時イゾルデは自身の身分を隠して女官のブラーニャとしてトリスタンと接する日々を送っていた。そしてイゾルデも、ブラーニャとしてトリスタンと接することで親の名誉と国の誇りのために仕組まれた愛情よりも、自分が懇意に誰かを愛することの出来る自由を得られることに喜びを得ていた。しかし二人の幸せな日々も、トリスタンの乗っていた船がアイルランド軍に発見されてしまったことから、トリスタンは捕縛される前に急ぎこの地から去らなければならなくなってしまう。そんなトリスタンを助けるためにイゾルデは用意した船をトリスタンに紹介するが、その時トリスタンはブラーニャとしての彼女を連れて行こうとしたが、偽りの自分を教えていたイゾルデにとって、その申し出を受け入れるという選択肢は存在しなかった。二人は本心ではない別れをすることで共に生き残り、後に再会することになるが待っていたのはあまりに過酷な運命と、そして二人の醒めない愛によって国そのものの存亡を掛けることになってしまうのであった。

キャスト

  • トリスタン:ジェームズ・フランコ
  • イゾルデ:ソフィア・マイルズ
  • マーク:ルーファス・シーウェル
  • ドナカー:デヴィッド・パトリック・オハラ
  • ウィクトレッド:マーク・ストロング
  • メロート:ヘンリー・カヴィル
  • ブラーニャ:ブロナー・ギャラガー
  • ボドキン:ロナン・ヴィバート
  • エディス:ルーシー・ラッセル
  • レオン:JB ブランク
  • モーホルト:グラハム・ムリンズ
  • サイモン:レオ・グレゴリー
  • オリック:デクスター・フレッチャー
  • アラゴン:リチャード・ディレーン
  • カーセヴァル ハンス・マーティン・スタイアー
  • ケイ:トーマス・モリス
  • アンウィック:ジェイミー・キング
  • ロスガー:ウォルフガング・ミュラー
  • 若き日のトリスタン:トーマス・サングスター

語られる結末の種類

今作がアーサー王伝説として組み込まれることになるが、元は全く異なるストーリーとして描かれているということ、また作品によってトリスタンの結末も異なっているということはこの作品を著者した人物によって、トリスタンとイゾルデの二人が辿ることになる話が変化するものの、一律的にトリスタンとイゾルデの二人が結ばれることは決して存在しないところは変えることができなかったのでしょう。恐らくこの話の根幹にあるのは悲劇という一点に絞っていることでようやく話としては好まれるものになると考えられているということに繋がるのかもしれません。そうしなければシェイクスピアがロミオとジュリエットを生み出すこともなければ、その後に続く劇作家達の誕生もありえなかったのかもしれないからだ。そう考えるとこの作品はトリスタンとイゾルデの悲劇という形で締めることで、後の世に多大な影響を残すことにもなる、ということかもしれない。